日本のHIPHOPにおいて、彼らの名前を出さずに今のシーンを語ることはできないだろう。
その名も
BADHOP
神奈川県川崎市出身。8人のメンバーで構成される日本を代表するHIPHOPクルーだ。
引用:BADHOPのX
そんなBADHOPが2023年5月、東京・幕張で開催された国内最大級のイベント『POP YOURS』にて
BADHOPは解散
することを発表した。
このことは日本国内のHIPHOPファンだけではなく、業界にまで衝撃を与えた。
彼らはなぜ、人気絶頂の今、解散をする選択を取ったのだろうか?
今回はそんなBADHOPが解散する理由について解説していく。
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BADHOPとは
BADHOPは神奈川県・川崎市出身。8人組HIPHOPクルーだ。
メンバーは以下の通り。
BADHOPという名前の由来は、双子であるT-pablowとYZERRが出演したクラブイベントの名前が『BADHOP』だったことからきていると言われている。
また野球の用語として『BADHOP(イレギュラーバウンド)=どこに転がるかわからない』という言葉からも『周りが予想できない行動をしていく』という思いも込めて名付けられたそうだ。
- 2017年にYouTubeで公開した『Ocean View』は脅威の3000万回再生超え。
- 2018年は、日本のHIPHOPアーティストとして最年少で武道館ライブを実施。
- 2019年にはL.Aに行き、USの有名なプロデューサーと楽曲制作。
- 2020年にはコロナ禍の中、横浜アリーナにて無人ライブを決行。
- 2021年は、日本のHIPHOPシーンにおいて重要な役割を果たすラッパー達をfeat迎えたアルバム『BADHOP WORLD DELUX』をリリース。
- 2022年は行われたHIPHIPイベントのほとんどのヘッドライナー(大トリ)を務める
など、間違いなく現代の日本のHIPHOP業界のトップに君臨するクルーなのだ。
BADHOPが解散する理由
そんな人気絶頂といえるBADHOPはなぜ解散するのか。
不仲説であったり、方向性の違いなどが噂されているが、実際に解散する理由は以下の動画にて説明してくれている。
動画を見ている限り、まったくもって不仲だったり、方向性の違いで解散するわけではないとわかるので、ファンは安心できるだろう。
BADHOPが解散する大きな理由は以下の3つ。
- 27CLUBの存在
- ソロの活動
- 下の世代に残していきたい
1.27CLUBの存在
アナタは27CLUBという言葉をご存知だろうか?
数々のポピュラーな音楽のミュージシャンが27歳という年齢で死亡したことから、いつの間にか
伝説のアーティストは27歳でその生涯を終える
と言われ、そこに名前を残していった人たちを『27CLUB』と呼ぶようになったのだ。
引用:FIRST MADE
有名なアーティストとしては『カート・コバーン』『ジム・モリソン』日本では『尾崎豊』も数え年であれば27歳で亡くなっている。
BADHOPのT-pablowも15歳ぐらいの頃からこの『27』という数字を強く意識していたとのこと。
BAHOPのメンバーは2023年の解散を発表した時27歳。(Benjazzyをのぞく)
BADHOPは亡くなってしまうわけではないが『活動を終える』という意味ではこの『27CLUB』に名前を連ねることになるだろう。
2.ソロの活動
メンバーのYZERRはクルーとして動くことで、本来大切にしたい『ソロでの活動』に支障がでることがあったと話している。
どうしても、クルーでのアルバム作成やライブを中心にしていると、ソロで本来作りたい楽曲もうまくいかなかったり、とにかく忙しいという状態が続いてたみたいだ。
BADHOPを解散することで、今後はよりソロでの活動が期待できることだろう。
3.下の世代に残していきたい
大げさではなく、ここ10年のHIPHOPのシーンを動かしていったのはBADHOPの存在が必要不可欠だった。
高校生ラップ選手権でT-pablowが優勝し、フリースタイルダンジョンでラップが一般の人にも普及。
さらに、USのラップを日本語で体現することで「HIPHOP=カッコいい」というイメージを定着。
YZERR自身も「自分たちがBADHOPとしてできることはもう限られてきている」という発言をしていることから、
これからは自分たちがシーンを引っ張るのではなく、自分たちよりも下の世代達を支えていきたい
という思いを強く感じることができた。
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BADHOP:オススメの楽曲
T-pablowが「伝説は死んでも死にきれない」と楽曲の中のリリックでも残しているように、BADHOPは解散するが、伝説は永遠に残る。
そこで、最後に今後も語り継がれるであろうBADHOPのオススメの楽曲を3つ紹介したいと思う。
1.Bayside Dream
潮風を感じるような爽やかなトラックに、工場地帯の川崎出身から成り上がった彼らが繰り広げるラップは、多くの人に勇気や希望を与えるはず。
特に、この楽曲の中でのT-pablowのリリック
昔、諦めたサッカーだけどrapperになったら呼ばれたぜフロンターレの開幕戦での始球式へ。
Bayside Dreamより引用
自身が昔サッカーを諦めたけど、ラッパーになった今、地元川崎市の『川崎フロンターレ』の始球式をするという、T-pablowでしか書けないリリックになっている。
2.Foreign
海外ではその名を知らない人はいないと言われているぐらい有名なビートメーカー『Wheezy』と『Turbo』がプロデュースを手掛けた一曲。
また、映像監督も世界的に有名な木村太一が手掛けており、これまでの日本のHIPHOPシーンをアップデートしたと言っても過言ではないだろう。
耳に1発で残るHook(サビ)と、聴き心地の良いフロウで、4年経った今でも頻繁に聴きたくなる楽曲だ。
3.Hood Gospel
この楽曲は、コロナの影響によって無観客で横浜アリーナ単独ライブをした後にリリースされた。
それまでの彼らの曲とは違い、メロディアスな雰囲気と、メッセージ性が全面に押し出されている楽曲になっている。
いつ聞いても色褪せることなく、元気をもらうことができる1曲なので、ぜひ聞いてみてほしい。
さいごに:BADHOPは間違いなく伝説になる
「BADHOPはパクリ集団だ」だとか「BADHOPはダサい」というネットの声はたくさん聞くことがあるが、あまりにもナンセンスだ。
これほど氷河期だった日本のHIPHOPシーンにムーブメントを起こしたのは、間違いなくBADHOPであり、後世にも繋がっていくだろう。
そんなBADHOPが2024年に解散。
彼らの功績は間違いなく伝説になり、HIPHOPシーンに語り継がれていくだろう。
そんなBADHOPは最後の解散ライブをHIPHOPシーンの誰もが踏み入れたことのない
東京ドーム
でライブを大成功させた。
今後の彼らの動きを要チェックだ。
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